更新日:2018年5月7日
耳鳴りは、実際に音がないのに自分だけ音が聞こえる現象です。原因がわからないことも多く、他の人にはわからないため、困っている方が多くいらっしゃいます。
最近、「脳過敏症候群(のうかびんしょうこうぐん)」という病気が、耳鳴りと関係しているのではないかと考えられています。原因がわかれば、対処の方法が見えてきます。
脳過敏症候群は片頭痛(へんずつう)から移行するケースが多いのですが、耳鳴り、脳過敏症候群、片頭痛に共通しているのは、ストレスによる自律神経の乱れです。
耳鳴り、脳過敏症候群と自律神経の関係について知ることは、耳鳴り、脳過敏症候群を治すために大切なことです。
このページでは、耳鳴りでお困りの方のために、耳鳴り、脳過敏症候群と自律神経の関係について詳しく説明しております。
【目次】
耳鳴りの基礎知識についてご説明します。
(1)耳鳴りの種類
耳鳴りは大きく2つの種類に分けられます。
①自覚的耳鳴(じかくてきじめい):自分にしか聞こえない、聴診器を使っても他者には聞こえない。耳鳴りの多くはこの種類。
②他覚的耳鳴(たかくてきじめい):他者が聴診器で聞くことができる。まれな耳鳴り。
(2)耳鳴りの症状
実際には存在しない音が自分だけに聞こえます。「キーン」「ピー」といった高音が聞こえる場合もあれば、「ブーン」「ジー」といった低音が聞こえる場合もあります。耳が詰まったように感じる場合もあります。
また、音が一つだけ聞こえる場合と、複数の音が混ざって聞こえる場合があります。
(3)耳鳴りの原因
高音性の耳鳴りの原因は内耳の障害が考えられ、老人性難聴や騒音性難聴などがこれにあたります。
低音性の耳鳴りの原因は中耳の異常が考えられ、中耳炎、メニエール病などがあります。
「ポコポコ」といった音が聞こえる耳鳴りは、耳管狭窄症、耳管開放症などが原因として考えられます。
「ドクンドクン」といった拍動性の耳鳴りは、血管性疾患、鼓膜の奥の気圧が低下することなどが原因として考えられます。
しかし、耳鳴りの多くは原因を特定することが難しく、自律神経の乱れによるものではないかと考えられています。また「脳過敏症候群」という、脳の興奮状態から起こる症状の一つに耳鳴りもあります。
(4)耳鳴りの治療法
これらの治療法を、症状に応じて取り入れて改善を目指します。
脳過敏症候群とは、2011年に東京女子医科大学脳神経外科の研究チームにより発表された、頭痛に関する新しい疾患概念です。
耳鳴りにも関連している脳過敏症候群についてご説明します。
脳はさまざまな情報を受け取り、興奮状態になりますが、通常は次第に収まり平静を取り戻します。
しかし、刺激がなくなったにもかかわらず、脳の興奮状態が続くことを「脳過敏症候群」と言います。最長で72時間もその状態が続くことがあります。
(1)脳過敏症候群の症状
(2)脳過敏症候群の原因
脳過敏症候群の原因は、片頭痛などの慢性的な頭痛に対して不適切な対処を長年行ってきたこと、あるいは強いストレス状態が続いたことによる脳の過剰興奮と考えられています。
このような頭痛に対する不適切な対処や慢性のストレスに心当たりがあり、頭痛が月に10回以上、さらに上記のような症状が現れている場合、脳過敏症候群の可能性があります。
(3)脳過敏症候群の治療法
脳過敏症候群の治療法は、脳の興奮を抑える薬物療法が中心となります。
また、市販薬の乱用をやめること、頭痛を放置せずに適切な治療を行うこと、ストレスを解消することが大切です。
耳鳴りの多くは原因不明と言われていますが、耳の病気や血管性疾患のほかに「脳過敏症候群」も原因の一つとして考えられるようになりました。
脳過敏症候群は2011年に発表されたばかりの、まだ新しい概念です。
脳過敏症候群は、片頭痛に対する不適切な対処、あるいは慢性的なストレスなどによって起こる、脳の過剰興奮の状態です。
脳の各部位は、聴覚、視覚、判断、感情のコントロールなどを司っています。
片頭痛で大脳が興奮を繰り返すたびに、脳のさまざまな部位に刺激が伝えられ、正常な働きができなくなります。そのために、耳鳴りや難聴、めまい、抑うつ感などが現れます。
片頭痛の痛みを軽減するために市販の鎮痛剤を使い続けたり、過剰量の服薬をしたり、逆に放置したりすることで、脳過敏症候群に移行することがあります。
脳過敏症候群で、脳の聴覚を司る部位が過剰に興奮すると、耳鳴りが起こることがあります。耳鳴りと頭痛が同時に起こっている状態です。
脳過敏症候群のもとである片頭痛は、自律神経の乱れによって起こるとされています。ストレスなどで緊張状態が続くと交感神経が優位となります。その状態が長く続くと、リラックスしたときに逆に副交感神経優位の状態が正常よりも強く現れます。
この過剰な副交感神経優位の状態になったときに、血管が膨張して神経を圧迫するために片頭痛が起こります。
つまりは、自律神経の乱れが片頭痛を引き起こし、誤った対処により脳過敏症候群へと移行するのです。その脳過敏症候群の症状の一つとして耳鳴りがあり、耳鳴り自体も自律神経の乱れから起こることがあります。
耳鳴り、脳過敏症候群を治すための自律神経の整え方について考えてみましょう。
強いストレスが長期間かかると交感神経優位となるために、さまざまな症状が現れますので、ストレスを取り除くことが大切です。
耳鳴りや脳過敏症候群、片頭痛は、その症状を抑える治療も必要ですが、その原因となっている自律神経を整え、原因を解消しましょう。
自律神経を整えることで片頭痛が治れば、脳過敏症候群、耳鳴りを起こす可能性がグッと低くなります。
(1)十分な睡眠をとる
質の良い睡眠を十分にとり、体をしっかり休めましょう。睡眠は自律神経を整えるのに最も大切なことです。
(2)深呼吸をする
ストレスがかかって交感神経が優位になると呼吸が浅くなります。深呼吸をして自律神経を整えましょう。
(3)軽い運動をする
ウォーキングなど軽い運動をすることで、ストレス発散になり、適度な疲労感から良い睡眠がとれます。
(4)規則正しい生活をする
起床、就寝、食事など、できるだけ決まった時間に行うようにしましょう。生活リズムが整うと自律神経も整ってきます。
(5)趣味を楽しむ
好きなことを楽しみ、ストレス発散につなげましょう。
(6)ぬるめのお風呂に浸かる
シャワーよりも湯船にゆっくり浸かってリラックスしましょう。血行も良くなります。
耳鳴りはさまざまな原因がありますが、脳過敏症候群の症状の一つとして現れていることがあります。脳過敏症候群のもとである片頭痛を治すことで、脳過敏症候群や耳鳴りが解消される可能性があります。
当院の鍼灸治療では主に自律神経のバランスの改善を行うことで脳過敏症候群、耳鳴りの症状改善を目指しております。脳過敏症候群、耳鳴りは自律神経のバランスを改善することで良くなる可能性があります。どうぞあきらめないでください。
土曜日・日曜日も診察しています。
当院は完全予約制です
078-891-3590
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~13:00 | ○ | 休 | 休 | 休 | ○ | ○ | ○ |
14:00~17:00 | ○ | 休 | 休 | 休 | ○ | ○ | 休 |