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脳過敏症候群と耳鳴りの関係

文責:横幕鍼灸院 院長 横幕胤和
最終更新日 2024年1月22日

脳過敏症候群と耳鳴りの関係

耳鳴りは、実際に音がないのに自分だけ音が聞こえる現象です。原因がわからないことも多く、他の人にはわからないため、困っている方が多くいらっしゃいます。 

最近、「脳過敏症候群(のうかびんしょうこうぐん)」という病気が、耳鳴りと関係しているのではないかと考えられています。原因がわかれば、対処の方法が見えてきます。 

脳過敏症候群は片頭痛(へんずつう)から移行するケースが多いのですが、耳鳴り、脳過敏症候群、片頭痛に共通しているのは、ストレスによる自律神経の乱れの可能性があります。

耳鳴り、脳過敏症候群と自律神経の関係について知ることは、耳鳴り、脳過敏症候群を改善するために大切なことです。

このページでは、耳鳴りでお困りの方のために、耳鳴り、脳過敏症候群と自律神経の関係について詳しく説明しております。 

 

【目次】

  1. 耳鳴りの基礎知識
  2. 脳過敏症候群とは
  3. 耳鳴り・脳過敏症候群と自律神経の関係
  4. 当院の耳鳴り・脳過敏症候群に対する当院の方針
  5. 患者さんの声

1.耳鳴りの基礎知識

耳鳴りの基礎知識についてご説明します。 

1)耳鳴りの種類

耳鳴りは大きく2つの種類に分けられます。 

自覚的耳鳴(じかくてきじめい):自分にしか聞こえない、聴診器を使っても他者には聞こえない。耳鳴りの多くはこの種類。 

他覚的耳鳴(たかくてきじめい):他者が聴診器で聞くことができる。まれな耳鳴り。 

2)耳鳴りの症状 

実際には存在しない音が自分だけに聞こえます。「キーン」「ピー」といった高音が聞こえる場合もあれば、「ブーン」「ジー」といった低音が聞こえる場合もあります。耳が詰まったように感じる場合もあります。 

また、音が一つだけ聞こえる場合と、複数の音が混ざって聞こえる場合があります。 

3)耳鳴りの原因 

高音性の耳鳴りの原因は内耳の障害が考えられ、老人性難聴や騒音性難聴などがこれにあたります。 

低音性の耳鳴りの原因は中耳の異常が考えられ、中耳炎、メニエール病などがあります。 

「ポコポコ」といった音が聞こえる耳鳴りは、耳管狭窄症、耳管開放症などが原因として考えられます。 

「ドクンドクン」といった拍動性の耳鳴りは、血管性疾患、鼓膜の奥の気圧が低下することなどが原因として考えられます。 

しかし、耳鳴りの多くは原因を特定することが難しく、自律神経の乱れによるものではないかと考えられています。また「脳過敏症候群」という、脳の興奮状態から起こる症状の一つに耳鳴りもあります。 

4)耳鳴りの一般的な対処方法 

  • 薬物療法:血流を改善するお薬、神経伝達を良くするお薬、睡眠導入剤
  • 音響療法:補聴器の使用
  • 心理療法:自律訓練法、カウンセリング 

2.脳過敏症候群とは

脳過敏症候群とは、2011年に東京女子医科大学脳神経外科の研究チームにより発表された、頭痛に関する新しい疾患概念です。

耳鳴りにも関連している脳過敏症候群についてご説明します。 

脳はさまざまな情報を受け取り、興奮状態になりますが、通常は次第に収まり平静を取り戻します。

しかし、刺激がなくなったにもかかわらず、脳の興奮状態が続くことを「脳過敏症候群」と言います。最長で72時間もその状態が続くことがあります。 

1)脳過敏症候群の症状 

  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 難聴
  • めまい
  • 抑うつ感
  • 不眠
  • 光、音、においに敏感になる 

2)脳過敏症候群の原因 

脳過敏症候群の原因は、片頭痛などの慢性的な頭痛に対して不適切な対処を長年行ってきたこと、あるいは強いストレス状態が続いたことによる脳の過剰興奮と考えられています。 

  • 自分は頭痛持ちだからと、日常的に市販の鎮痛剤を使用し続ける
  • 痛みが激しいからと規定以上の量を服薬する
  • 自然に治まるだろうと何も対処せずに放置する
  • 慢性のストレスがある 

このような頭痛に対する不適切な対処や慢性のストレスに心当たりがあり、頭痛が月に10回以上、さらに上記のような症状が現れている場合、脳過敏症候群の可能性があります。 

3)脳過敏症候群の改善方法 

脳過敏症候群の改善法は、脳の興奮を抑えるお薬による療法が中心となります。

また、市販薬の乱用をやめること、頭痛を放置せずに適切な対処を行うこと、ストレスを解消することが大切です。

3.耳鳴り、脳過敏症候群と自律神経の関係

耳鳴りの多くは原因不明と言われていますが、耳の病気や血管性疾患のほかに「脳過敏症候群」も原因の一つとして考えられるようになりました。

脳過敏症候群は2011年に発表されたばかりの、まだ新しい概念です。 

脳過敏症候群は、片頭痛に対する不適切な対処、あるいは慢性的なストレスなどによって起こる、脳の過剰興奮の状態です。 

脳の各部位は、聴覚、視覚、判断、感情のコントロールなどを司っています。

片頭痛で大脳が興奮を繰り返すたびに、脳のさまざまな部位に刺激が伝えられ、正常な働きができなくなります。そのために、耳鳴りや難聴、めまい、抑うつ感などが現れます。 

片頭痛の痛みを軽減するために市販の鎮痛剤を使い続けたり、過剰量の服薬をしたり、逆に放置したりすることで、脳過敏症候群に移行することがあります。 

脳過敏症候群で、脳の聴覚を司る部位が過剰に興奮すると、耳鳴りが起こることがあります。耳鳴りと頭痛が同時に起こっている状態です。 

脳過敏症候群のもとである片頭痛は、自律神経の乱れによって起こるとされています。ストレスなどで緊張状態が続くと交感神経が優位となります。その状態が長く続くと、リラックスしたときに逆に副交感神経優位の状態が正常よりも強く現れます。 

この過剰な副交感神経優位の状態になったときに、血管が膨張して神経を圧迫するために片頭痛が起こります。 

つまりは、自律神経の乱れが片頭痛を引き起こし、誤った対処により脳過敏症候群へと移行するのです。その脳過敏症候群の症状の一つとして耳鳴りがあり、耳鳴り自体も自律神経の乱れから起こることがあります。

4.耳鳴り・脳過敏症候群に対する当院の方針

内耳の血流とリンパ液の流れの改善

内耳の血流が悪くなることにより起こることが多々見受けられます。身体が緊張状態になるとリンパ液の流れも悪くなりより症状が強くなります。ここは検査ではわかりにくい部分です。こちらを改善するツボに鍼を行います。

自律神経のバランスを整える

自律神経のバランスが乱れ、交感神経が強くなりすぎるため、耳鳴りを強く感じやすくなります。また不眠・不安などの症状も出やすいです。これらを改善するため、自律神経のバランスを整える鍼灸を行います。

免疫力の改善

耳鳴り・脳過敏症候群が長期に渡り続くことにより、精神的・肉体的にもダメージを受けます。この結果、免疫力の低下がおこり、耳鳴りが改善しにくくなります。当院では薬を使わずに免疫力を上げ、症状の改善を目指します。

耳鳴り・脳過敏症候群は、病院で「慣れてください」と言われることも多いのですが、到底なれることはできません。耳鳴り・脳過敏症候群は原因を見つけ、しっかりと対処をすれば改善の可能性が十分にあります。どうぞあきらめないでください。

患者さんの声 聴覚過敏症・脳過敏症

聴覚過敏で苦しんでました。広島から神戸まで通うことを最初は迷いましたが、結果、思い切って通うことにして大正解でした。 

広島県広島市 KKさん 43歳 女性 主婦

▲クリックして拡大

ある日突然耳鳴りが始まり、すぐに耳鼻科に行きました。聴力に問題がなかったためビタミン剤を飲みながら様子を見ていましたが、1か月後には聴覚過敏になり、耳の閉塞感もひどくなってきました。

ステロイド剤も飲みましたが、特に変化がなかったので総合病院でMRIとCTの検査をしてもらいましたが、特に問題がありませんでした。副作用のことを考え、ステロイド剤をやめて漢方薬なども飲みましたが効果なし。

耳鼻科の先生もこれ以上できることはなく、症状とうまく付き合っていくしかないとおっしゃるばかりでした。その頃は、特に聴覚過敏のせいで日常生活にかなり支障をきたしていました。食器がぶつかる音はもちろん、ほんの些細な物音でも耳を通り越して脳にパーンと響いてきます。外出するのもかなりつらい状態でした。

これは精神的な問題なのかなと心療内科についてネットで調べていたら偶然、横幕鍼灸院のサイトにたどりつきました。

ここで初めて「耳の病気を治す」という言葉を目にすることができたのです。広島から神戸まで通うことを最初は迷いましたが、このままでは普通の生活ができないと思い、電話をかけてみました。結果、思い切って通うことにして大正解でした。

鍼灸院は初めてでしたが痛みもなく、治療のたびに少しずつ良くなる感じがしました。先生が明確に病状や治療について説明してくださるので精神的にも安心できました。遠方ですがローラー鍼を使うことで毎日治療できることもありがたかったです。今思えば治療を初めて1か月過ぎたころにぐっと音の響きが少なくなったように思います。

耳だけでもなく、膝の痛みも治療していただき本当に助かりました。もともと冷え症気味なのですが、最近は血行も良くなった気がします。まだまだ普通の人より音が響いたり、閉塞感があったりしますがこれからもコツコツ治療を続けて完全に治せたらいいなあと思います。本当にありがとうございました。これからも宜しくお願いします。

*個人の感想であり効果を保証するものではありません。

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